希望の日々

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「死神のカード・・・あなたは1ヶ月後に死にます。」 つまらなすぎる日々が、その一言で崩れさった。 「え?」 聞き返す俺に、その転校生はもう一度同じことを繰り返した。 「あなたは1ヶ月後に死ぬ。」 ある日転校してきた。彼女はきつめの顔をしていた。 長い黒髪をひとつに束ね、いつもタロットカードで何かをうらなっている。 その怪しい風貌と、それに相反するような彼女の親の素性にあっというまに彼女は有名になった。 近くにできた私立病院の医者の娘だと・・。 俺の父は国立病院の医者、彼女の父は私立病院の医者・・・敵対というわけじゃない。 だが、俺の父は敵対していた。 患者がとられてしまうと・・・。 そんなもん、治るならどこでもいいはずなのに・・・。 「おい、おい、嘘つくんじゃねぇよ!?」 俺の友人と言う建前の取り巻きが、彼女に詰め寄る。 「やめろ。おとなげない。」 俺はそいつを、片手で抑え本気にしてないかのように笑いながら彼女の側を離れた。 動揺が顔にでない内に・・・。
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