一章の1 庭瀬

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 でも、直ぐにもみ消された。現実派、つまり、摩訶不思議現象を嫌う人間にしてみれば、僕ら子供が事件解決などと言う行為はある意味社会を冒涜しているんだと言うことらしい。  けど、僕は諦めない。だってそんな楽しいこと止められる分けがないんだ。それを皮きりにいろんな事件を解決して今に至る。  世の中様々な事件が溢れていて、解決した事件は指で数えられないくらいにはなっていた。  ところで、今が何時かと言うと銀ちゃんの見舞いをしてから三日後。  銀ちゃんの話を聞いた僕は、その有名高校の門前で曲を聴いていた。  気分はまるでナンパ待ち。  銀ちゃんからの情報を頼りに、女の子を探す。  だけど、上手くは行かないものでその日、目的の彼女に出会うことはなかった。  仕方なしに赤い夕日を見ながら、大人しく退散したけれど、釈然としない何かが僕の胸奥に生まれていた。  それから数日、僕は不審者と言われるのを覚悟で調査に当たる。 「ねえ、邪魔」  裏門をぶらついていた僕に、女子生徒の声が掛かる。  よし、何かが釣れた。曲を止めて振り返る。
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