一章の4 美作

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「ぬいぐるみ?」 「ちゃうわ! わしが神様や!」  狐の眼差し、尻尾と耳。ふんぞり返ったその奇妙な生物が、そんな言葉を投げてくる。  私は五月に再度説明を求めたが、五月は呑みながらにしましょうかと、奥へと引っ込んでしまった。  ひとりにしないで。  奇妙生物を見下ろした私の素直な心境は、どうやら誰にも知られることは無いようだった。
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