第1章

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『ここは…』 あたりを見回すが 誰もいない ドームの中は 幻想的なオレンジの光が グラデーションをしている 『三浦榊くん… 目を覚ましましたね?』 人がいないのに どこからか声が聞こえる でも不思議と 怖さはなかった。 『あぁ、でも…ここは? たしか落合と噴水に飛び込んで…』 『ここは…君達でいう 天国へ行く道の待合室だ』 『天国…』 やっぱり僕は 溺れて死んだんだ… まだやりたりない事が たくさんあるのに… 『落合七瀬も隣の待合室で待ってるよ。いやぁ2人ともそんなに“三浦榊”と“落合七瀬”の人形が似合うなんて思わなかったよ』 『人形…?』 僕は拳を握る右手を見た 自分の12年間 使っている体は ただの人形だったのか? あの時3針縫った 頭の傷も 確かに痛かった 『まだ榊くんは思い出せないかい?』 『はい… それどころか不快です』 『ハハハ、おかしいやつだ!!ハハハハハ!!!』 高らかに笑われ 榊はイラッとした 『なんなんですか?アトラルとか人形とか。僕は普通の中学1年生で三浦榊だ!』
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