6人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「俺、ちはるちゃんのこと好きなんだけど…付き合ってくれないかな?」
一年前けんじに告白されて、初めての告白に感動して思わず
「うん!!」
と答えた。ちはるもけんじもお互い付き合う初めての人。毎日が楽しくてしょうがなかった。でも、ここで問題がひとつ。
「メールかぁ…後で返そ~っと♪」
ちはるがけんじと付き合ったのは正直勢い。献身的なけんじに甘え、ちはるは自由奔放に付き合っていたのだった。
(けんじが私から離れていくはずないしねv)
ちはるはプライドも高い。絶対に自分から「会いたい」なんて言わないし、メールも相手が返してこなくても絶対自分からもう一度しようとは思わない。
勿論メールが返ってこなければ不安になる。しかし、ちはるの場合一時間くらいやきもきしたら、
(あ~もうっ!!なんで私がこんなに考えなきゃいけないの!?もういーや。寝よ寝よ!!)
と、本当に寝てしまうのだった。それでも怒らず何も言わずに甘やかしてきたけんじもいけないのだが…。
そういうわけで、今回の進学も反対されるとは思ってなかった。離れればお互いの大切さにも気付くかも♪なんて軽い気持ちで考えていた。
いつも会いたいと言ってくるのはけんじ、寂しいと言ってくるのもけんじ。だから、ちはるは寂しいとか会いたいと思うことはそれほどなかった。
(週2ペースで会えればいいや。)
そんな感じだった。
二人の家も車で15分と近く、会えないという状況もなかった。こんな二人だったから、ちはるも軽い気持ちで遠距離恋愛を覚悟したのだった。
(週2でいいと思う私だもん。寂しくなんてならないよね♪)
しかし、こんな軽い気持ちで踏み切った遠距離恋愛が、ちはるにとってとても大きな、大切な体験になるとはこの時考えもしなかった……
最初のコメントを投稿しよう!