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今日からこの部屋で一人暮らしか…。
ちはるは段ボールだらけの散らかった部屋を見渡した。まだ荷物は整理できていない。
「まっ、片付けはあとでいいよね♪」
ちはるは基本マイペース。この時すでに引越しから二日が経過していた。
(そんな事より明日は……♪♪)
そう、明日はなんとさっそくけんじが来るのだ!学生のちはると違って働いているけんじは明日の金曜日、仕事場から直行で出発してくるらしい。
(何作ってあげよっかなー♪)
今まで実家を出たことのないちはるに作れる物はかなり限られてくるが、ちはるはけんじと二人きりで過ごせるという事がひそかに楽しみだったのだ。
(今まで門限厳しくて、こんなにずっと一緒にいれなかったもんね…)
ちはるの家の規則は厳しく、もちろん門限もある。二人で一緒にいても、いつも時間に追われているようだった。そんな二人が二日間も一緒に過ごせる…ちはるはもうウキウキだ。
「早くこないかなーv」
そうして夜は更けていった…。
次の日…
「もしもし??だから、そこ確か左に曲がるんだよ!!」
「いやいや、左に道ないって!!」
車で来たけんじは道に迷っていた。初めてくる土地だ、当然だろう。
「あ~~~待って!じゃあ私外に立ってるから見つけて!!」
ちはるが外に出て10分後、けんじとちはるは無事再会を果たしたのだった。
「あ~疲れた……」
けんじはぐったりと車を下り、荷物を下ろす。
「お疲れ様~まぁまぁ、部屋でゆっくり休んでよ♪」
ちはるが荷物を半分持とうとけんじに近づいた。その瞬間
「え、ちょ…っ!?」
けんじはちはるを抱き寄せ口づけた。
「ちはるだ~会いたかった…」
けんじは悪びれた様子もなく笑顔である。
「もうっ。早く行くよ!!荷物は自分で持ちな。」
ちはるは恥ずかしさでけんじの方を見ず、家へと案内した。
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