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第四話
電話の相手はあゆみの携帯からだった。
「もしもし。時間過ぎてるぞ。」反応がない。
その時、あゆみではない女性の声が聞こえてきた。
「孝介くん、久しぶりね。」あゆみのお母さんだった。
「お久しぶりです。あの・・・あゆみは。」おばさんは黙ってしまった。
「孝介くん。落ち着いて聞いて。あゆみは─── あゆみは貴方の待ち合わせ場所に向かう途中に倒れたの。」頭の中が真っ白になった。
「えっ。朝は元気だったのに・・・」
「あゆみに病気が合ったことは知っているわね。あの子の心臓の病気は大人になると再発するモノなの。それで。」
僕は急いで病院に向かった。着いたときにはもう遅かった。
死んでいるようには見えないほど綺麗だった。
僕は彼女にそっとキスをし今日渡すはずだった指輪を指にはめた。
彼女の葬式には参列しなかった。また別れるのが嫌だから。
僕は指輪をみた。
「この指輪は僕が死ぬまで君とに架け橋だよ。
あゆみ。笑ってね」
2年前の12月8日は忘れない。一生僕が死ぬまで、心の中に閉まって・・・。
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