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「警察はなんと?」
「まだ、何も。目撃者も、証拠も、不審者が居たと言う情報も。」
子供達を思い出し、啜り泣く親達。
警察が、何も掴めないとはな。10人だぞ?それだけ沢山の人間が、仮に誘拐されたとしたら、どこかで痕跡が残る筈だ。…プロの仕業か?何の為に?人身売買か?しかし、それなら何故同じクラスの子供ばかり…他の生徒を誘拐しても良い訳だしな。それに、一度にそれだけ沢山の人間を誘拐したなら、騒ぎになるのは分かってる筈だ。プロならそんな目立つ事はしねぇだろ。
…何か、きな臭せぇな。
おっと。これが一番引っ掛かってるんだよね。
「何故、この事務所に?警察に任せておく方が無難だと思いますが。」
「はい。今日、ここには居ませんが、同じクラスの風嶋君のお母さんが、ここの探偵さんは優秀だからって話してたのを思い出しまして。少しでも希望があるならと思いまして。」
風嶋…?今までの依頼人でそんな人居たかな?それに、俺は探偵としては優秀では無いと思うんだが…
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