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鷹也が照れくさそうに言うと、鈴歌はスプーンを銜えたまま目を丸くした。
「まあハルさんとのデートだろうけど、悪いが頼むな」
「お兄ちゃんは咲月さんの親とは会ったんでしょ?どんな人?」
「母一人子一人の母子家庭で、咲月がずいぶん親不孝な事したって母親に謝ってたな。凄く優しそうな人で、咲月をよっぽど大事に育ててたんだって良くわかった」
鈴歌はアイスを食べ終わると兄の向かいの椅子に腰掛けた。
「ふ~ん。お兄ちゃんに対してはどんな感じだったの?」
「うん…母親としては早く結婚してもらいたいようだったけどな。俺の気持ちと咲月の気持ちを話したらわかってくれて、取りあえずは親同士の挨拶と同棲は許してくれた」
鈴歌は生意気そうに頷いた。
「ふ~ん順調なんだぁ」
鷹也も負けじと焼酎を飲みながら鈴歌に言った。
「何言ってんだ。お前だってハルさんと順調なんだろ?一時は別れるの何のと言いながら、結局は旅行まで行く仲にまでなったしな」
(しかもプロポーズまでされたしね)
鈴歌は心の中で付け加えておいて普通に答えた。
「うん、順調。怖いぐらいにね」
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