求愛のこと

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 向かいにいる鷹也が、ダイニングの椅子に座る鈴歌に言うと、鈴歌は頷いた。  「…うん。凄く楽しかったよ」  鷹也は鈴歌をジッと見ると訝しげな表情になった。  「お前疲れてるのか?」  さすがに鋭く何かに感づいたらしい。  「え?う、うん。何か凄くいろんな事があったから」  「いろんな事?」  母親がご飯をよそってみんなに渡すと、箸を取って手を合わせた。  「「「「いただきます」」」」  鈴歌はお味噌汁に口を付けてお椀を置いた。  「うん…例えば木通さんが凄く天然だったとか」  鷹也は目を丸くした。  「あの人が?嘘だろ?」  「本当。あ、夏樹さんと木通さん正式にお付き合いする事になったよ」  「その事は咲月から聞いてたが、時間の問題だっただろ?それより何だよ、木通さんの天然て」  「うん、実はね…」  と鈴歌が話し始めると、鷹也は食事をするのも忘れて聞いていて、両親も話を聞くのに次第に夢中となって、話を聞き終わると微妙な表情で食事を続けた。  「その人はよく今まで無事に生きてこれたな」  父親が呟くと鷹也は箸を持ったまま鈴歌に聞いた。  
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