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すると母親が何かピンッときたらしく、鈴歌の顔をマジマジと見つめるとニッコリと笑った。
「真春さんと何かあったんでしょ?」
「え?」
鈴歌はドキッとしたが、真春との約束でプロポーズの事はまだ話さない約束になっているので、誤魔化す事にした。
「別に何にもないよ」
「怪しいな?」
鈴歌の様子に鷹也までもが怪しみだして、妙な目つきで見ている。
「まさかお前、また別れるなんて言い出してるんじゃないだろうな?」
「そんな事もう言わないよ。それは絶対ないです」
「大した自信だ」
鈴歌はこれ以上兄と一緒に居るとボロが出そうだと思って、そうそうに引き上げる事にした。
お風呂に入って部屋に戻ると、鈴歌は真春に電話をした。
『もしもし?』
「ハルさん」
『どうしたんだ?』
鈴歌は何となくモジモジとしてベットに腰をかけた。
「うん…ちょっと声が聞きたくなって」
『そうか』
真春の低く甘い声の後ろから心地良いジャズが聞こえてきている。
「あのね、今週の土曜日咲月さんの親とうちの親が会食する事になって、私も出席してほしいって」
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