『巡り逢い』     <回想>

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彼女とお酒を交わした日から数日。 車がようやく戻って来た休みの日。 あの電車のラッシュから解放されると思うと気分が良い。 天気も良く、戻って来た車を洗車する事にした。 たまにはワックスもするか。 そうつぶやきながら、車に乗り込みアクセルを踏む。 洗車場に着き、キレイに洗っていると隣に入った車からワイワイと女の子達の賑やかな声が聞こえる。 何となく聞き覚えのある声だなぁ~と思ったがあまり気にせずに洗車を続ける。 洗車を終え、次は車内をキレイにしようと掃除機がある所までバックする。 車内をキレイにしているとさっきの女の子達の車が隣に来た。 助手席から降りて来た女性をちらっと見るとこの間、忘れ物をした彼女だった。 「あ!佐藤 佳奈さん!」 思わず、驚いてフルネームで言ってしまった。 「えっ?あっ!相原さん。こんにちは、こんな所で会うなんて奇遇ですね。」 彼女も俺に気付き、挨拶をしてくれた。 「どうも。さっき、聞き覚えのある声がするな~って思ってて。 やっぱり、佐藤さんだったんですね。 今日は友達と洗車ですか?」 「そうなんです。友達にほぼ強制みたいな感じで」 そういうと彼女の友達が俺に会釈をして、彼女の頭を叩く。 「はは。あんまり友達を悪く言ったらダメだよ」 「はい」 そんな会話をしながら、掃除を終えた俺は彼女とその友達に挨拶をして車を出す。 「じゃ!お先に失礼しますね」 「はい。また奇遇があったらいいですね」 「そうですね」 軽く手を振りながら、彼女の言葉に返事をして窓を閉める。 次の奇遇を期待しながら。 それから、暫く車を走らせていると携帯が鳴る。 メールだ。 路肩に停め、見ると佐藤さんからだった。 丁寧な文章で今日会えてよかったという内容だった。 絵文字も使ってあるそのメールは女の子らしい可愛いメールだ。 すぐに返事を返した。 メールのお礼と今日会えた事。そして、暇があったら、飲みに誘いますという内容を。 今日はいつもより良い休みだったと思いながら、夕飯の買い物をして家に帰った。
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