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「はい。お言葉に甘えて。あっ!それと電話借りて申し訳ないんですけど、千葉さんの雑貨屋さんと世田谷のダーツバーの図面が出来上がってるので確認してもらっていいですか?」
「いいよ。んじゃ、確認しとくわ。カフェの件は頼むね」
「はい。失礼します」
電話を切った俺は久々に早く上がれる事にちょっと舞い上がっていた。
会社では定時で帰るのがほとんどないから、たまにこーいう日があると自分の厳しさを緩めてしまう。
大きなあくびをして、再び布団にもぐり込む。
あの現場は車で20分ぐらいだから、まだまだ眠れると思いながら。
AM7:30
支度を終え、タバコに火をつけ、カフェのオーナーに電話をする。
「もしもし。おはようございます。
ワークデザインの相原です」
「おはよう。相原さん。
無理言って悪いね。
相原さんの図面良かったんだけど、工事が始まって現場を見てたらこれもしたいなと思っちゃってさ」
「いえ。そんな事ないですよ。
最終的に100%満足された状態で渡したいので。ただ、工期は今よりも長くなってしまうと思いますけど」
「それは承知の上だから。とりあえず、現地でまたお話しましょう」
「分かりました。それじゃ、現地で。失礼します」
仕事の電話を終え、バッグから図面を取り出し、眺める。
それと同時に今日は早く上がれるから、何をしようと思っていた。
・・・そうだ!!
佐藤さんを飲みに誘ってみよう。
早速、佐藤さんにメールをする。
『おはようございます。
今日早めに終わると思うので、よければ飲みに行きませんか?』
という、ありきたりな内容で。
暫くして、カフェの現場に向かった。
オーナーと会った俺は工事中の店に入り、中で作業をする職人さん達に挨拶をすると、早速打ち合わせを始める。
ある程度、オーナーと内容を詰めて、追加分の確認とデザイン画を書いていると、昼を過ぎていた。
「小林さん!(オーナー)午後は追加分を見積に上乗せしてみますので」
「分かりました。
金額は気にしないで下さい。高くても、この店は思い通りにしたいんで」
オーナーはそう話し、昼が終わったら、また戻って来ると言って、店を出た。
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