『微妙な関係』     <回想>

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「いや。全然若く見えるって事ですよ。 決して老けてるなんて思ってませんので」 「当たり前ですよ~。老けてるなんて言われたら、私怒ります」 俺と彼女は笑いながら話をしていた。 そして、お互いが同い年という事もあって、最初は戸惑っていた二人だったが、自然に打ち解けていた。 まるで、他から見ると恋人同士の様に。 「何て呼べばいいかな? やっぱ、佐藤さん?佳奈さん?」 「何か、さん付けは嫌かも~。佳奈でいいよ。 それと、私は勇二って呼ぶからね」 「あ、はい。んじゃ、佳奈で」 ほろ酔い気分の佳奈は既にタメ語になっていた。 「ね~、勇二も敬語はやめてタメ語で」 「あ~、タメ語ね。分かった」 「勇二って、カラオケ好き?」 「えっ?うん。普通に好きだよ」 「じゃあ次はカラオケに決まり!!」 「OK!な~、佳奈って、面白いね。 見た目と中身のギャップがマジウケる」 佳奈のテンションの高さに面白がる俺。 酒が入ると佳奈はこんな感じになるんだな~と何故か、冷静に判断してた。 「そうかなぁ~?それを言うんだったら、勇二も何気に私の笑いのつぼにはまってるし」 俺は面白いのか?そんな事を思いながら、楽しく話していた。 「勇二って、歌うまい?」 「う~ん。どうだろ~。 友達と行くと低い声が渋いとか言われるけど」 「渋いのかぁ~。何か、上手そうだね」 「行ってからのお楽しみって事で」 お互いグラスに入っていた酒を飲み干し、カラオケ店に向かう事にした。 レジにに伝票を出し、会計をしようとしたら、佳奈が財布を出そうとした。 「ここは俺がおごるから、いいよ」 「えっ?何で?ワリカンにしようよ。 私、そーいうのはちゃんとしたいから」 「今日は長い時間、待たせたから、おごらせて」 「分かった。ここは勇二に甘えるね。 その代わり、カラオケはワリカンだよ」 「あいよ!」 支払いを済まし、カラオケ店に向かう。
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