『幸せが壊れた日』 <回想>

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12月24日 クリスマスイウ゛ 俺は朝から慣れない電車を使っていた。 佳奈が電車にしてと言われたので仕方なく。 お互い仕事終わりで渋谷の駅で待ち合わせをする事になっている。 仕事が終わり先に着いたのは俺。 待ち合わせの19時まではまだ時間がある。 今日はプロポーズをしようと思っている俺はこの間自分で作った指輪を眺めた。 気に入ってくれるかな~。 そう思いながら、佳奈を待っていた。 タバコに火をつけ行き交うカップルを見て、俺らの方が幸せだなとかくだらない事を思っていた俺。 暫くして時計に目をやると PM7:00 もう駅に着いたかなと電話をしてみる。 ・・・・・・出ない。 まだ、電車に乗っているんだろうと思い、気にしないでいた。 それから、一時間が過ぎた。 佳奈からは何の連絡もない。 何度か電話をしても出ない。 普段はこんな事ないのに不安になった俺は亮平に電話をしようと思い・・・・・ すると、携帯が鳴った。 相手は亮平だった。 「どうした、亮平?」 「姉貴の事なんだけど、落ち着いて聞いてね」 そう言われた俺は不安に押し殺されそうになった。 「分かった」 「実は勇二さんに会いに行く途中に事故に遭ったみたいで、今救急車で病院に運ばれているんだ」 俺は耳を疑った。 嘘だろ・・・・・・ 病院の名前と場所、そして病室の番号を聞いた俺はすぐに病院に向かった。 信じられないと思いながら。
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