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「あれ?相原さん、その紙袋どうしたんですか?ピンクって、相原さんに合わないですよね」
笑いをこらえながら、話す中山に
「合わないに決まってるだろ!たまたま、この袋しか家になくて、しょうがないから、これにしたの」
電車の忘れ物を持って来たなんて言えるはずもなく、とっさに嘘をついた。
「ですよね~。あれ?相原さん、駅から歩いて来たって事は今日は電車ですか?」
「そう。車が急に調子悪くてさ」
「今日は珍しい日ですね」
話しながら、社内に入りいつもの様にタイムカードを押し、自分のデスクに座る。
『おはよう!!』
『おはようございます』
『相原さん。おはようございます』
挨拶が飛び交う朝。
一通りの挨拶を済ました俺は早速仕事に取り掛かる。
「相原さん。この間、聞いてもらったカフェの照明の件なんですが・・」
仕事を始めると、新人君が話し掛ける。
「お~、ちょいデザイン画見せて」
「はい」
「う~ん。ここのカウンターはもう一本ぐらいレール照明増やしてもいいかもな。
カウンターと席を交互に照らすイメージにしてみたらどう?
それ以外の照明は・・・・うん。いいじゃん!」
「ありがとうございます。もうちょっと詰めてみます」
「ガンバレ~」
一応、俺は社内ではエースという事になってるらしく、新人君や他のデザイナーさんがアドバイスを聞きにくる。
まぁ~、仕事してる時は何よりも楽しいし、頼られる事は嬉しいしな。
後輩にアドバイスをした後、俺は今いくつか受け持ってる現場の図面の続きと完成した図面を工事業者にFAXする。
夢中に仕事をしていると時間は過ぎるのは早く、もうすぐ昼になる。
「相原さん。今日のランチ付き合ってくれませんか?」
中山が俺を誘う。
「いいよ。どこ行く?
あんまし、良い店分からないけど」
「ちょっと、新しいパスタのお店を見つけたんですけど、一人じゃ行きにくくて」
「俺じゃなくても、他の子誘えばいいのに」
「そうなんですけど。ちょっと、話があって・・」
これは男の話だなと感じた俺は
「OK!んじゃ、行こう」
快く返事をして、パスタの店に向かう。
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