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「仲?」
「どこで知り合ったんです?」
信号で車が止まる。
「…ホテルのバーだよ」
「ホテル?」
「ああ。いろいろあってやけ酒飲んでたら、声をかけられたんだ」
…ナンパのように思ってしまうのはなぜだろう。
「話を聞いてくれて、元気づけられて。大げさだけど、生きる希望を与えてくれたというか」
「へえ…」
田崎さんて、やっぱすごい人だな。
兄貴的存在っていうか、それ以上かも。
「もう会うことはないだろうと思ってたんだけど、会社で偶然再会してな。取引先の人だったんだ」
「へぇー!そんな偶然本当にあるんですね!」
「……そうだな」
「…?」
信号が青に変わり、車はゆっくり動き出した。
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