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慣れきった人込み
息苦しいビルの群れ
綺麗な花を見た
誰にも気付かれぬよう
ヒッソリと逞(たくま)しく
新たな息吹をあげて…
始まったばかりの
居場所に馴染めなくて
逃げ出してしまえば楽なのは
知ってたけど 怖かった
鼓動で指先が震える
何の為に頑張ってるのか
判らなくなって叫んだ時もある
綺麗事を演じて 日々
汚れてく自分が
虚しくて…
変わらない季節に
薄れ往く無邪気な頃を
焦るほど遠くなって
綺麗な花を見た
噎(むせ)返る空気の中で
その花を見守る
あなたが居た…
淋しさが募って
眠れぬ夜に点けたライター
今はもう吸わない
煙草に灯をつけるの
吐息で白さが揺れる
空が寒さ煽(あお)って
明日を繰り返す意味に
辛くて泣いてた時もある
作り笑いに ヒビ
判らない自分が
もどかしくて…
終らない現実
突き放した過去の仲間
飾るより大事だった
毎日眺めてる
見知らぬあなたの優しさ
今の私には眩しすぎて…
戻れない事もある
忘れてた夢も想いも
今はただ進むだけ
綺麗な花を見た
こんな片隅でも
咲けるんだと気付かされる
動いた気持ちに
もう迷わない
また新しい
息吹をあげて…
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