23人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな日は必ずと行っていいほど貴女を思い出す。
貴女はこのそらを好きだと言っていた。
だって、私の心を映してるの。たまに間違うけどね。
そう笑って言っていた。
春のこのそら。
はるの嵐だ。
貴女と出会った時のそらに似ている気がする。
6歳の時の出会い。
本当にロマンの欠片もないただの出会いだった。
引っ越しをしてきて、ボクは友達が全然できなかった。
しゃべると照れるから。
そんななか
何か自分の心がカラカラしていることはわかっていた。
何だろうこの気持ち…
気持ちの名前はわからないけど好きではない。
ふと、そらを見上げるとそらもまた悲しそうだった。
僕と同じだね。
泣き出してしまいたい…。
それでも意地で1人で砂場で遊んでいた。
「あんた、ちっこいねぇ」
突然上から声がかかる。
「…」
何だろう。
「あたし、上谷透子!あんた、名前は?」
「…」
「何かいいなよ?」
「…」
初対面でこんなに馴れ馴れしいやつははじめて見る。
「じゃあ、バルタン星人でいい?」
!
「な・違っ!!ボクは、なか・中根翔太!!」
「しゃべれんじゃん。あんた」!!
この瞬間、僕のカラカラの気持ちはどこか遠くに行ってしまった。
ポツリポツリ。
涙を落とす。
まるで、僕のために嬉し涙を流しているようだった。
最初のコメントを投稿しよう!