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「いってらっしゃーい」
例の男はにこやかに手を振ってお父さんが送り出した。
なんだがすごくいい人っぽい…
綺麗な黒い髪ににこやかな笑顔…悪い人じゃないならいっか。
その考えが甘かった。
「美月ちゃんだっけ?」
「あ…はいそうです…」
「俺は高田和音よろしくね」
「あ…はいよろしく」
そう言って差し出された手を握ろうとしたときだった。
ふっと手が引っ込んだのだ。
「なーんて言うわけないじゃん」
顔を見るとさっきのにこやか顔はどこに行ったのだろうか…
まるで悪魔のような顔になった。
「に、してもボロイな」
おもいっきりテーブルに座りながら煙草に火をつけようとしている。
な…なに?なんなの??
「な…なんなんですかっ!!」
「なにって…煙草」
「そうじゃなくて!!」
あぁ…もぅなんなのだろうかこの人は…
煙草なんてわかってんの!!
。
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