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佐久間盛政の行動で、作戦に支障が出た北国軍だったが、柴田勝家率いる本隊も攻勢を加え、羽柴軍を追い詰めていた。
一方、羽柴軍は黒田官兵衛の指揮のもと、激しく抵抗したが、その鶴翼の陣形は崩壊寸前だった。
「小一郎様!
これ以上は陣形が持ちませぬ。
秀吉様の軍勢は、まだ来ませぬか!?」
前線から戻ってきた加藤孫六は、鶴翼の陣形の崩壊が近いことを秀長に知らせた。
孫六自身も左肩に矢が刺さり、至る所に傷を負っていた。
「官兵衛・・・これでは一旦、坂本に退くしかないかの?」
「秀吉殿の軍勢が美濃で動きが取れぬ以上、援軍は望めませぬ・・・。
わしもそれ以外は無いかと思いまする」
秀長と官兵衛が撤退を決めようとしていた時、秀吉の小姓の1人、加藤虎之助が2人のもとに駆け付けてきた。
「小一郎様!
吉報にございまする!」
「虎之助か・・・!
いかがした!?」
「紀伊様の援軍が・・・到着致しました!」
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