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「この2人は、永野三位中将高範と望月絢と申す」
「ほう、ならば父たちと同じように、知成と直継の家の者ということか」
「あの・・・義明様もなんですけど、義永様も、あたしと悠馬のパパ・・・いえ、父親たちのこと、知ってるんですか?」
絢の言葉に、義明と義永は「しまった!」という顔でお互いを見た。
そして、おもむろに義永が口を開いた。
「その話をするには、時間が足りぬ故、今は、よぉく知っている、とだけ申しておこう」
「あの・・・今、ここに集結している紀伊家の軍勢って、どれくらいなんですか?」
義永と絢の話に黙っていた悠馬だったが、ふと思い出したように尋ねた。
「おお、では説明しておこうかのう」
義永はそう言うと、持っていた指揮棒を平原の大軍勢に向けた。
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