賤ヶ岳に散る夢 ―激闘―

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悠馬はふと、病室の日めくりのカレンダーに目が止まった。 「なあ、今日って何月何日だ?」 悠馬が見たカレンダーは、7月18日のままであった。 「やっぱり悠馬も気になった? あの日・・・あたしたちがタイムスリップした日のままなんだよね。 悠馬がこっちに戻ってきてから麻酔で3時間ぐらい眠ってたから、今、午後の3時過ぎだけど、洞窟を抜けて、救急車の時計を見たら、まだ12時過ぎだったの」 「・・・じゃあ、俺らが向こうで過ごした1週間は、こっちじゃ、1分にも満たないってことか?」 「1分どころか、時間が経過してないってことも考えられるけど」 2人は不思議な気分に浸りつつ、しばらくの間、お互い、何も話さなかった。
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