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繁が設立し、社長を務める「永野エレクトロニクス」は自衛隊・警察向けの装備品開発・製造を主な事業としていた。
悠馬と絢は、悠馬の退院後、それぞれの祖父母の家に滞在していた。
「悠馬、おじさんの部屋で何やってるの?」
悠馬が、繁が昔使っていてそのままになっている部屋の、机を物色していると、絢がふと現れた。
「よぉ。昨日、父さんたちがあの世界に行ってた時のことを書いたレポートが机のどっかにあるってメールが来たからさ」
「パパたち、レポートまで書いてたんだ」
「それをゼミの先生に課題で提出したらしいんだけど、証拠になる記録も物も無いわけだし、推論と想像に過ぎないって言われて却下されたらしいんだけどな」
「課題で出しちゃったんだ!
まあたしかに却下されるよね」
絢が父親たちの過去の行動に呆れていると、悠馬がお目当ての品を見つけ、取り出した。
「あった!これだ!」
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