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「佐々殿・・・ようやく気付かれたか。
だが、距離が足りぬな。
撃てっ!」
羽柴軍の新手として現れたのは紀伊軍第3軍の先遣隊である小山田右兵衛少丞信成率いる1個歩兵大隊500名であった。
『小山田』
かつて武田家重臣の1人だった小山田信茂とその一族は、武田家滅亡後、紀伊家に保護され、後に仕官していた。
小山田信成ノブナリは信茂の二男であった。
紀伊軍500名の放ったテームズ銃の17ミリ弾は、佐々成政が育て上げた鉄砲隊将兵の命を奪っていった。
種子島の2倍以上の射程距離から放たれるテームズ銃の一方的な銃撃に、成政はただただ呆然としていた。
そして、一発の銃弾が成政の左肩に命中し、成政はそのまま落馬し、そこで意識が途絶えた。
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