賤ヶ岳に散る夢 ―開戦―

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その日の深夜、秀吉は黒田官兵衛、石田佐吉、大谷紀之介らを伴い、勝竜寺城に残る1500の軍勢を率い、近江坂本へ向けて出陣した。 留守居役には14歳となり元服を間近に控えた嫡男・お拾を任じ、城の守備隊3000のうち2000を二条城に移し、京の洛中警護を託した。 一方、紀伊邸に戻った義明は悠馬と絢が寝静まるのを待ち、1個騎兵大隊50騎のわずかな護衛のみ連れ、間道を通り、近江に向かっていた。 目的地は…安土城。 道中、月を囲む影のような雲を見て、義明は呟いた。 「明日は雨かの・・・。 種子島は使えないやもしれぬの」
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