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「お、おい!?なんで泣くんだよ!?」
「だって……」
晴海は涙を拭くと、笑って言った。
「私も祐樹のこと好きだから」
「え?」
予想の中にあったにもかかわらず、予想外の反応で俺は固まった。
「だから、私もずっと前から祐樹のことが好きだったって!ぜんっぜん気付かないんだもん。この鈍感男!!」
「はっ?えっ?てことは、なんだ?どうなる?」
頭が全然働かなかった。でも、自然と顔だけはほころんでいく。
「両思い……ってことで、いいのか?」
奇跡だ、と思った。こんな奇跡もう二度と無いんじゃないか、と。
晴海はまた涙目になって、やっとのことで次の一言を搾り出した。
「……うん!」
俺も涙が溢れてきそうだった。あぁ、嬉し泣きってこういう感覚だったんだなぁ、と思い出して。
でも、それを晴海に見られるのがほんの少し恥ずかしくて。
俺は晴海の小さな身体を抱きしめていた。
「え?ちょ、ちょっと!」
「いいだろ?もう少しだけこのままでいさせてくれ……」
晴海のぬくもりが俺に伝わってくる。今、俺達は繋がっているんだなと感じる。
「……祐樹、泣いてるの?」
気付いたら、頬を熱い何かが伝っていた。
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