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最も頼りになるはずだった、米太平洋艦隊は、真珠湾で大損害を受け、支援は期待できない。
アジア周辺にも、米、蘭の艦隊が駐留しているが、いずれも小規模で、やはり期待できない。
全力を尽すしかない―それが今のリーチの考えだった。おそらく、フィリップスの考えも同じだろう。 「完調」―それを知ってのフィリップスなりの、慰めだったのだろう。
「ところで、《インドミダブル》は連れていきますか?」
「日本軍の航空攻撃があるとは思わんし、脅威とも思わんが、連れていこう」
《インドミダブル》は竣工から日が浅く、訓練も充分ではない。パリサーはそのことを懸念していたが、フィリップスは必要と考えていた。
「閣下、時間です。」
「よし、では行こうか。」
目標はコタバル、日本軍の輸送船団殲滅が目的だった。
戦艦2、空母1、駆逐艦4からなる艦隊。
この艦隊が、アジア駐留連合軍の希望だった。
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