序章

5/5
387人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
しかし様子がおかしい。 敵艦隊は発砲することもなければ、変針する様子もない。高角砲の射程には入っているはずなのに… その違和感は、まもなく払拭された。 「司令部より入電! 《攻撃ヲ中止セヨ》」 「艦隊より発光信号! 《ワレ鳥海》」 「味方だったか…」 偵察員と通信員の、ほぼ同時の報告に、機長は溜め息をついた。 結局この夜、彼等が探し求めていた英国東洋艦隊は、見つからなかった。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!