プロローグ

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 若い男は走っていた。  よろめいていると言った方が正しい表現かも知れないが。   既に咒力は枯渇し、咒力回路は辛うじて崩壊を免れる事が出来た。  限界を越えての咒術行使は、容赦無く男の身体を破壊した。  身体中にひどい痺れが走り続けている。  恐らく、神経が損傷したのだろう。いや、むしろこの程度どころか、命があったのが奇跡だ。
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