プロローグ

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 距離にして百メートルあるか無いか。  だが、今の男には限り無く遠い。身体の自由は利かず、咒力は枯渇している。  だが、迷っている隙は無い。  「オ、オオオオオッッ」  無い咒力を振り絞る。足りぬ咒力を咒力珠を完全に解放し、魂までを燃やして咒力を捻り出す。  発動したのは第一位の低級咒術。ただの加速咒術だ。  しかし、それとて、今の咒術回路では焼き付いたエンジンにもう一度火を入れる様なものだ。
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