プロローグ

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 後の、細かい破片は自分の身体を盾にする。  大きな瓦礫から剥離した無数の小破片が男を叩く。救いはそれが一瞬で終わった事だった。  倒れるなっ。後ろにはあの子がいる。もう、咒術複合装甲を構成・維持するアミュレットすら完全に咒力を使い果たし、今ではくすんだ黒を光らせていた。  下に着込んでいたアンダー・スーツだけの姿になった男が後ろを振り返る。  そこには、怯えた目で男を見る女の子がいた。
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