プロローグ

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 男は、膝をついた。静かに、それでも、強く女の子を抱きしめた。  「ごめんな。遅くなって」  男は、それしか言えなかった。  今まで、悲鳴すら上げることの無かった女の子が、泣いた。  声もなく。ただ、涙がだけをボロボロと流す。  全て、ここが始まり。男と女の子はここで出会った。今はただ、それだけの話。
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