プロローグ

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その行為自体に意味などない。 忘れたいだけだ。 あの女(ひと)の体を、声を、俺を見る目を、あの時間をー…。 そして笠松 政宗(カサマツ マサムネ)という俺自身の存在を。 ただ、それはいつも失敗に終わる。 相手が誰であろうと、あの女の影が重なる。 そして今日も。 「ね…私、もう…っ」 「……」 コイツ、誰だっけ? …あぁ、そうだよ。 この女は俺のー…。 「…あぁんっ!!…え…?」 あの女の白く細い首に、腕を伸ばす。 熱い鼓動が手のひらから伝わってくる。
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