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教室にいると、女子たちがヒソヒソと私をチラ見しながら話している。私のことか。今朝の件が、教室に到着する前にすでにSNSで拡散されているのか…。
「なんであの子なの?」
「話してるとこ見たこともない」
私は鞄を机の脇に掛けてスクッと立ち上がると、みんなはピタッと話し声を止める。私はあえて、睨みも笑いもせずに教室を出ていくと、また教室の中はにぎやいでいた。
「やだなぁ…」
と呟いて、教室から少し離れた資料室の近くまで歩いていくと、ふと廊下の窓から中庭を見下ろしてみた。中庭で女子が二人くらいキョロキョロしている。誰かを探しているみたいだ。私も何だか気になって、辺りを見渡していると、
「萌梨ちゃん…!」
と小さく声が聞こえて、私は振り向いて見回した。資料室のドアからひょっこりと佃煮男が顔を出した。
「こっちこっち!早く」
「…なんで」
と私が言うと、佃煮男はかがんだまま駆け出して私の腕を掴むと、資料室に連れていってすぐにドアを閉めた。
「ねぇ、悪いけど、私、あなたと関わりたくないのよ」
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