第3章 もう、恋なんてしない

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また、考えがネガティブになってきた。 私の悪い癖。前は、もっと楽観的だったはずなのに、いつの間にか、私は人の気持ちの裏を読んでしまうようになってしまった。 私は、家に着く時には、もう笑顔を忘れてしまっていた。 * 翌日。 私は校門をくぐると、そこに女子たちに囲まれている佃島滋に気が付いた。私は彼を見ると、昨日の話は本当だったんだ…と思いながら通り過ぎると、 「萌梨ちゃん!おはよう!!」 と突然声をかけられた。私は再び彼を見ると、彼はにっこり笑って、 「嘘じゃなかったでしょ?」 と言うと、周りにいた女子たちが怖いくらいに私を睨みつけた。私はあえて何の反応も示さずに再び歩き出すと、 「なんなの?!あのオンナ!」 「何様なの!?」 「あいつ、暗いんだよ!なんで滋、あいつと知り合い??」 と一斉に抗議の声が溢れて彼に襲い掛かる。 あーあ。私、いじめにあうかな。最悪。めんどくさい…! 私は、スタスタと歩いて、校舎の中に入っていった。
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