第1章ー入学式ー

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「西村さん!」と私を呼んだ人が、これから友達になる…由美だった。 「あ。えーっと。」 「由美やで!原 由美」とはじめて私に話かけてくれた。心優しい子だった。でも、話かけにくい。あまりにもなれなれしくすると、嫌われたら大変だから控え目にした。 「気軽に話かけてよ。緊張したらあかんで」 とニッコリ微笑んで、他の友達の所に行った。その言葉で、緊張が解けた。HRが終了した。さっそく担任の先生に話しかけた。 「伊東先生!」 「西村さんよな。よろしく。」 「先生。私ね。頑張って友達作るし、勉強も頑張るからね!」 「頑張ってよ。西村さん」 「はあい!」 とだけいい残して靴を履き替えて正面玄関に行った。同級生が沢山いる…。クラス写真を撮るらしい。写真は好きじゃない。 「未来!!こっちやで!」 手を一生懸命に振っている由美の姿がわかった。 私も写真を撮るために背の順に並んだ。私は、前から4番目だった。低いほうだ。でもあと一つ前なら、悲惨な事に…椅子に座って行儀良く座らないといけなかった。 撮り終わったあと私は、用事がなかったから家に帰った。
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