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学校から、家まで歩いて30分くらいだ。おばあちゃんは先に家に帰ったが、私は…友達が写真を撮る間を擦り抜けてきた。家に帰ると、お父さんはいなかった。玄関のドアを開け、
「ただいまー」
とだけ、呟いた。おばあちゃんが出向いた。おじいちゃんは、居間で内職をしているのがわかる。
「おかえり。」
とおじいちゃんとおばあちゃんは声をかけてくれた。私は…おばあちゃんに
「お父さんは?もう行ったん?」
と聞くと、おばあちゃんは、
「おばあちゃんが帰って来た時には、いなかったよ。今日は多分帰って来るの早いと思うで」
と伝えてくれた。私は、リビングに足を運んだ。制服のままで、食器棚からコップを取り出し、冷蔵庫から、牛乳をだしてコップに注いだ。そして、ゆっくりと飲みほした。
「めちゃめちゃ、美味しい!!やっぱり…緊張が解けたからやなあ!最高や~!あ。お兄ちゃんわ!?部活?」
コップを台所に置き、おじいちゃんとおばあちゃんが内職をしている部屋に行った。
「そう違うか?未来。潤は、バスケットで何かあるって言うてたわ」
おじいちゃんが、私に伝えた。
「まじで…暇やん!あいついなかったら暇やあ!」
お兄ちゃんは家族の光みたいなものだ。明るく照らす。優しい光。
お兄ちゃんが息をきらして帰って来た。バスケ部だからしんどいのは当たり前か。
「父さんわ?」
おばあちゃんは、お兄ちゃんが帰って来た途端に優しい感じになった。
「おかえり。父さん知らないよ。もう帰って来るん違うかな?」
「ふーん。」
「おかえり。潤」
「ゆっくりしなあよ」
とおばあちゃんがお兄ちゃんに言った。
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