第1章ー入学式ー

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私が、嫌いなのは、人に態度を変える人だ。おばあちゃんは許すけど……。 お父さんが、帰って来た。お父さんはトラック運転手だ。睡眠時間がめちゃめちゃ短い。それでも、愚痴を言わずに頑張って働いてくれている。 「帰り!!」 「よ。未来…“お”どうしたんよ」 微笑んでいる。 「めんどいから言わなかったあ!」 「阿呆やなあ。」 私はお父さんの冗談が大好きだ。 疲れているのに愚痴を言わないお父さんが心配。 無口だけど… 顔が怖い感じがするけどめちゃめちゃ楽しいし明るくて優しいお父さん。 皆で食事するのが楽しい。滅多にない。お父さんは仕事により、帰って来れない日が多い。 「この肉ジャガ未来作ったんかあ?」 「もちだぁ。」 「餅??」 と悩むお父さんにお兄ちゃんは、 「もちろんの略やで」 と教えた。 お父さんもおじいちゃんとおばあちゃんも…そして私も爆笑した。 この家族が大好きだ。 暖い家族が大好きだ。でも、家族がいつもいっしょと言う事はなかった。 お父さんはトラック運転手…長距離で、茨城県まで行ったり、仙台まで行く時だってある…。家に帰って来るのは…一週間に3回あればいいほうだ。 私達、兄妹は“お父さん”と呼ばない。 私は“おっ父”で、兄は“父さん”だ。 おっ父は何も言わないから“お父さん”とは呼ばない。 今日は珍しくおっ父と夕食を食べれたのが嬉しかった。 おっ父が居るのと、居ないのでは、家の明るさが違う。 「おっ父!!」 「お!?なんな?」 「別に~~♪」 「なんなそれ~」 私の馬鹿な話も聞いてくれる優しいおっ父。
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