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ユウキは黙ってシロの顔を見て頷く。
「可能性は…0じゃない」
ユウキがそう言うと、シロはベンチから立ち上がりユウキに背を向けたまま言った。
「理事会は…気付いていると思うか?」
「おそらく…でもハル達にはまだ」
「あのハルがその可能性に気付いていないわけがない」
シロの言い分に、ユウキは少し表情を曇らせる。
「探すぞ、ユウキ」
「え?」
ユウキが一瞬戸惑ってベンチから立ち上がる。
すると、ユウキとシロの周りにはいつの間にか他の生徒が集まってきていた。
植物の陰から、シロの言葉に賛同するかのようにぞろぞろと生徒が集まってくる。
「皆…」
周りの生徒達も、ユウキと同じように身体のあちこちに怪我の手当てをしたあとがみえる。
「探すんだ。その方がいい」
「シロ…」
「“その時”がくる前に、俺達が【バラ】を手に入れるんだ」
周りを囲む生徒達の手には武器が握られている。
「ハル達より…早くな」
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