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憂鬱で仕方がない。 今日の空はまるで、そんな私の気分を写し取ったかのように薄暗く曇っている。 私、真崎 花は、親の都合で急遽この学園へと編入してきた。 15歳から18歳までの4年制となっているこの学園に、17歳の私が途中から編入… 正直、打ち解けられるか不安でどうしようもない。 そんな私の不安なんて打ち消してしまおうとばかりに、校舎の壁は気味が悪いくらい真っ白に輝いている。 それが余計に私の憂鬱さを煽るとも知らずに。 そうは思った所で、手続きも済ませた後に「通いません」なんて学校側に言えるわけもなく。 私はしぶしぶながらゆっくりと校舎に向かって進み始めた。 綺麗に整備されたグランドの土を踏み締めて、最後の悪あがきとばかりにそろそろと歩く。 逃げたってしょうがないんだし、いい加減腹をくくればいいのに。 私って昔からこうなんだよね…。 後ろ向きな気持ちを少しでも持ち上げようと、思い切って顔を上げた。 「あれ…なんだろ?」 学園の校舎の裏は樹木が覆い繁っていて、その先には岩肌が露出した山がある。 壁のようなその山の上に、校舎ほどではないがそれなりに大きな建物が建っていた。 よく見れば校舎の4階から渡り廊下で繋がっている。 ちょうど奥の建物の1階の位置と、校舎の4階の位置が同じ高さのようだ。 奥の建物の屋上は半透明なドーム型になっている。 「なんかの…施設?」 なぜだかわからないけれど、私はその建物からしばらく目が離せなかった。
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