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どれくらい時間がたったかわからないけれど、私はフッと我に返ってフルフルと頭を振った。 いけないいけないっ。 今は初日の今日をきちんと乗り切る方が先! 私は建物の方を心のどこかで気にしながらも、半ば駆け足で校舎へと向かった。 「もう授業が始まっているので、このまま真っ直ぐ教室に向かって下さい」 事情を話した私に対して、事務課のお姉さんは少し素っ気ない口調でそう言った。 「あの…担任の先生は…?」 「藤堂先生なら、ちょうどクラスで授業を行っています。直接行っていただいて問題ありませんよ」 お姉さんはそう私に言い返すと、手元の書類の整理を始めてしまった。 「あ…ありがとうございます…」 ここの職員さんて、皆こうなのかな…。 やっと落ち着き始めた憂鬱な感情がまた沸き上がりそうになった私は、それを振り払うかのように階段を駆け上がった。 「はぁ……ちょっと…頑張りすぎた…かも…」 階段を一気に駆け上がったせいで、運動不足な私の身体は少し悲鳴をあげていた。 「でも…たまにはこういう運動も必要よね」 なんて独り言を呟いた後、私はふと気付いた。 「あれ…?ここ4階だ…」 学年ごとに1つずつ上がる階。 3年生の私が向かうのは3階だったはずなのに、勢い余って1つ上まで来てしまった。 「戻らなきゃ…」 そう思って階段の手すりに手をかけた時、少し前に見たあの建物が頭に浮かんだ。 あの建物は、たしかこの4階にある渡り廊下と繋がっている。 「……気になる…」 気になり始めると黙っていられない。 私の長所であり短所でもある性格がウズウズと疼き始めていた。
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