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事務課のお姉さんは「今は授業中」だと言っていた。
そんな時に廊下をウロウロしていてはあまりにも目立つ。
私はまるで追っ手から逃げる犯罪者のごとく必死に身を隠して進んだ。
目的地はあの建物へと続く渡り廊下。
何がそんなに気になるのか自分にもわからない。
でも、学校と繋がっているなら特別問題も無いはず。
なんて自分を無理矢理肯定して私は渡り廊下を探し続けた。
時々、シンとした廊下に、授業を進める教師達の声が響く。
身を屈めて教室の横を通り抜ける私。
かなり怪しい…
なんとか教室がある廊下を通り抜けて、私が駆け上がった階段の場所とちょうど反対側の場所に辿り着いた。
こっちにも下へと続く階段がある。
でも結局、渡り廊下らしきものは見当たらなかった。
「見逃した…のかな?」
私が少し気落ちしながら階段を降りようとした時、真後ろからキィ、と物音がした。
驚いて振り返ると、そこには頑丈そうな鉄の扉があった。
近寄ってみると、少し開いている。
扉の隙間からそっと中を覗くと、そこは物置部屋なのか、机やら棚やらごちゃごちゃと置かれていた。
「なんだ…ただの物置か…」
私がそう呟いて扉を閉めようとした瞬間
― ゴーン‥ゴーン… ―
低く響く鐘の音が鳴ったかと思うと、急に教室が騒がしくなり始めた。
「あれ…チャイムなんだ…!?」
私は見付かるととてもよくないような気がして、慌ててその物置部屋へと飛び込んでしまった。
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