消えかかる心の灯火

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消えかかる心の灯火

彼が来店してから、何日かが過ぎた。 (つまらない…疲れた…笑えない…) あれからの私は、まるで、無気力…。何をやっても、心から笑えず、何をするにも苦痛な気がして。 (いったいどうしてしまったんだろう…毎日がつまんない…) そんな私を見かねて、チーフが声をかけてきた。 「最近、元気ないんじゃない?どうかしたの?…指名が増えないと、歩合制になった時に苦労するよ」 正直、家庭の事と仕事の事で、クタクタだった。 家庭をかえりみない夫、風俗で働く自分、親にも相談できずに、小さな子達を育てていかなきゃならない不安…。心が限界だった…悲鳴をあげる心を誤魔化して頑張っていたが、体は正直だった。 チーフは年上の女性で、子供はいないが、苦労を重ねたからか、経験豊富で、その日、私を呑みに誘ってくれた。迷ってると、「子供は託児所が帰るまで預かってくれるから、行こう。奢るし、帰りも送っていくから、心配しないで大丈夫よ。」その言葉に甘える事にした。 職場近くの居酒屋に案内してくれた。何も選ばずにいると、適当に頼み、「今日はお酒呑みなさいね、子供達は夕飯とお風呂を頼んでるから、酔っても大丈夫だから。」
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