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「なあ空、入試も近いんだぞ?高校だって離れちまうんだから」
「分かってるよ」
分かってるからすぐにでも仲直りしたい、が本音。昨日は携帯に電話をかけたが出てくれなかった。
いや、分かっている。彼女も自分と同じでなんだか変なところがしっかりしてて…
謝ったり、告白したり、そういう大切なことは直接話してもらいたい。
きっと彼女もそう思ってる。
しかし、今回はなかなか時間がかかる気がする。
「…あーあー」
ため息をついた。
なんだか彼女と付き合ってからやけに疲れている気がする。
そんな事を思うたびにそう考えた自分を責める。まるで、嫌々付き合っているようじゃないか。
そんな気持ちはみじんもない。付き合ってるのはもちろん、好きだからに決まっている。
「こんなんじゃダメだよな」
早いうちに仲直りしよう。
空は再び決意をした。
喧嘩なんてしていたくないし、何よりも早く桃の笑顔が見たくなった。
「…謝っかな」
この決意は、数分後に始まる事態によって実現できないモノとなる。
実際には、もうすでに始まっていたのかもしれない。

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