夢慈現記録ファイル1

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ぼくは靴を静かに脱ぎ、キレイに揃えて玄関の端に置く。 そして、いつものようにフローリングの階段を一段一段ゆっくりと上がってゆく。 階段が終わると右に曲がり、突き当たりにあるドアを開けた。 ドアを開けると、ぼくの瞳に簡潔な部屋が写る。 ベット。 机。 本棚。 10畳はあるかという部屋にあるのは、それだけだ。 相変わらず、殺風景な部屋だな……。まぁ、使ってて不便はないけど。 ちなみに、ここはぼくの部屋だ。 ぼくはベットの上に鞄を置き、机へと向かう。 何をするつもりかって? 勉強に決まってるだろ。 当たり前の事を聞くなよ。 学校や、塾の勉強だけじゃ足りないんだよ……。 あいつを……四ツ谷薫を越える為には……。 本棚から、数種類の参考書を運び、机上に並べた。  
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