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誰か一人はやってきてるだろう。俺はやってきてないから、もう放置する。早くあきらめないかな。
「清瀬君、私ので良ければどうぞ」
「あ!北条さん!!ありがとう!佑のケチっ!!」
べーと良いながら捨て台詞を吐いて俺から離れて言ったのはいいが、それと引き換えにコイツが来た。
新吾にしてみれば救世主だが、俺にとっては曲者だ。
「佑」
「・・・恵」
北条 恵(ほうじょうめぐみ)は俺の赤ん坊のころからの幼馴染。親同士が仲がよく、小中高と見事なまでにクラスが一緒。
髪は腰まであって、肌は白いし、スタイルも良い、顔も美人で、頭も良い。他人はこいつを学園の華と呼ぶ。
恵は一つため息をつくと、俺の前の席に座ってきた。
「・・・情けない顔」
「うっせ、情けなくて悪かったなー・・・昨日寝かせなかったのはお前のせいだろ。」
「あれくらい、どうってことないでしょ」
男であれば赤面するほどの含み笑いをしながら俺に微笑んでくるが、俺には通用しない。長年幼馴染をしていればこういうことにも
慣れる。どこらへんに赤面するのか教えて欲しいくらいだ。
しかも陰ではファンクラブまで存在すると聞いた。
どこまでもてるんだよ、まったく。
「あら、今週は三人よ?」
「は?」
「口に出てたけど・・・まさか、自覚してなかったの!?あははははっ!!」
「う、うるせえええ!」
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