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「佑はさ嫌じゃないの?こんなやつが彼女で」
「は?」
泣きまねをしようかと考えてるときに、恵が俺に聞いてきた。いつものからかう顔ではなく真面目な顔。
真面目な顔をしてるときの気持ちは真剣だと昔から分かっている。
だったら俺も真面目に返さなくてはならない。
恵から中3の終わりに告白してきた。昔から変わってない俺の部屋で、AVを見ながら。
『佑』
『何だよ』
『付き合いましょ』
『え?』
『好きなの。付き合いましょ』
真っ赤にした顔と伏せられた睫毛。
いつもと変らない状況なのに、異様にドキドキした。
自分の片思いじゃなかったというだけで涙が溢れそうだったことを今も鮮明に覚えてる。
『うん。俺も好き、恵の変わった趣味も他のところも・・・ありのままの恵が全部好き。
付き合おう?』
そこから俺達は新しく始まったんだ。
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