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「なぁー、なんで人間って空飛べねぇんだ?」
「……は?」
突拍子もない隣の男の言葉に思わず顔をしかめた。
「いや、鳥は飛べるのになーって思って。」
「鳥は翼があるけど人間には翼がない。」
答えてからそうゆう問題じゃないだろ、と心の中で自分に突っ込みを入れる。
そんな俺の言葉に奴は一瞬キョトン、とした表情をしてから「あははっ、そっか…そうだよなー」と笑う。
いや、お前も納得してんなよ!
一々言葉にするのが面倒くさくて…というより奴と話すこと自体面倒くさいので言葉には出さない。
「でも飛べたら気持ちいいだろーなー。」
空を見上げながら言う奴。
それにならって俺も空を見上げた。
空には悠々と翼を広げ、飛んでいる白い鳥がいて。
「そう…だな。」
そんな光景を見ていたら、自然と奴の言ってることに共感を抱いてしまう。
「ははっ!初めて俺の意見に同意したな?」
「……そうか?」
「お前とばかりいたから馬鹿が移ったんだな…最悪だ」と呟くと「失敬な!」と笑う。
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