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『幸せになれ。俺の分まで。』
風に混じって、京ちゃんの声が聞こえた。
「京ちゃん?……京ちゃん!!」
何度叫んでも、京ちゃんの声は聞こえてこなかった。
「う"ぅ~~…うわぁああんっ……ぁぁああっ…ひっく……ひっく!」
思いっきり泣いた。
泣いて泣いて泣きまくった。
1ヶ月間ずっと泣いたのに、よくこんなに涙が出るなってくらい泣いた。
………でも。
泣いたらとても、スッキリした。
今まではいくら泣いても、絶望と言う文字しか出てこなかったのに。
――――幸せになれ。俺の分まで。
この言葉が出てくる。
青い空、白い雲。
大きな、白い、入道雲を見る。
京ちゃん………。
私、幸せになるよ。
京ちゃんの分まで。
京ちゃん……。
――――大好き。
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